使ってみようバンド計算プログラム [Top](2/13、2002:開始)
- 目次 [Top] [倉庫](旧ページ)
- 【先頭】
- 【提言】
- 【使うために必要な情報】
- 【本当に使うだけで良いのか?】
- 【新企画:バンド計算、よくある質問とその回答(問答集[FAQ or Q and A])】
【提言】[目次]
(覚書→むしろ”提言”であると判断)
既に、全くのゼロの状態から、標準的なバンド計算を行なうためのプログラ
ムの構築は、全くの無駄であり、愚の骨頂である。
今後、多くの貴重な才能が、このような行為で、浪費されることを防ぐため、
本ページを新たに立ち上げることとした。題目変更の経緯としては、”作って
みようバンド計算プログラム”(前の本ページの題目)→”もう作ってはいけ
ない(標準的な)バンド計算プログラム”→”使ってみようバンド計算プログ
ラム”(今回新たに考案した題目)となる。つまり、既存の商業ベース、フリー
(GPL準拠なものなど)、或いは他のバンド計算グループとの共同研究等、ど
のような形でもよいが、既存のものとさして変わりばえのない、或いは既存の
ものと同じことしか行なえないバンド計算プログラムを再度構築(再生産)す
るような無駄(愚)を避け、先に挙げたいずれかのもの(方法)を利用、流用
することが推奨される。
『念のため』
勿論、本発言に何の強制力もありません。それでも作りたいという個人、グ
ループ等が、(バンド計算プログラムを)作ることを何ら妨げる権限を(当た
り前ですが)筆者は持っていません。現実として、今全くのゼロの状態からバ
ンド計算プログラムを作り出すことは非常に稀であるだろうとは思います(*)。
また、本発言は、新手法によるもの、全く新しい(或
いは未開拓な)理論に基づくプログラム開発を妨げるものでは決してありませ
ん。
(*)多くの場合は、何らかの形で基本(原形)となるプログラムが存在しま
す。それが、(ソースも公開された)商用版、フリーなもの。あるは共同研究
相手のもの、研究室内の自前のものなど、どんなものであれ、そのようなもの
を(合法的な手段で)出発点とすることまでを筆者は否定するつもりはありま
せん。
【”使う”ということの意味】
これには、既存のバンド計算パッケージ(商用、フリー、共同研究等に関わ
らず)を”使って”、何らかの計算対象(普通は物質〔バルク、表面、クラス
ターなど〕)の電子状態(電子構造)、電子的物性、(局所)安定構造などを
求めること。また、バンド計算パッケージを基に、これに改良(含む、高速化、
並列化)、或いは新たな物性などを計算するための計算ルーチンを付加して、
既存のバンド計算プログラムの性能を向上させるために”使う”ことを意味す
る。
【時代は”作る”から”使う”へ】
実は大分前からそうなっていた(?)。
【”使わず”に”作って”しまう原因→情報不足(一因)】
↓そこで以下の如く情報を掲載。原因はこれだけではないが、、、。
【現在、使える(使えそうな)パッケージ】
内外のバンド計算関連[
パッケージ]
【使えそう(?)な原形(雛型)】
筆者が公開するバンド計算[プログラム
][各論編]
再配布禁止です。また自己責任でお使い(ご利
用、流用、改造、改変等)下さい[関連注意
]。
【姉妹ページ:つくバンドパック構想】
つくバンド[パック]
【使うために必要な情報】[目次]
(1)対称性に関しての情報(オンライン+書籍等:こ
れだけあればばっちり〔か?〕)
- 【参考ウェブページ】(オンライン情報)
- The Naval Research Laboratory(米国海軍)による結晶構造データベース[Crystal Lattice Structures Database](←アクセス不能)
復活(再興)を確認(2/16、2018)Crystal Lattice Structures Database(1/20以降、2022、アクセス不能を確認。univie.ac.at/michael.leitnerによるミラーページ〔httpsページ〕)
- Bilbao Crystallographic
Server(対称性、群論、空間群に関しての有用な情報サイト)
関連文献:M. I. Aroyo, et al., Z. Kristallogr. 221, 15
(2006).
- Symmetry III: Space Groups(School of Crystallography, Birkbeck College, University of Londonにある空間群に関してのページ[Advanced Certificate in Powder Diffraction on the Web: Course Material Master Index])。
- 結晶構造解析のための[空間群](東北大金研、HERMESのページ)
- 結晶学関連データ(ワイコフ位置等)のあるページ→[Seto's Page ](神戸大学、瀬戸先生による)
- [TSPACE](柳瀬先生による空間群のプログラム〔T-SPACE〕のページ)
- 【参考文献】
- "THE MATHEMATICAL THEORY OF SYMMETRY IN SOLIDS", C. J. Bradley
and A. P. Cracknell, CLARENDON PRESS, Oxford 1972
- 「物性物理学のための群論入門」、G. Burns著、中村輝太郎、澤田昭勝
共訳、培風館
- 「応用群論 ‐群表現と物理学‐」、犬井鉄郎、田辺行人、小野寺嘉孝著、
裳華房
- 「(物性物理/物理化学のための)群論入門」、小野寺嘉孝著、裳華房
- 「物質の対称性と群論」、今野豊彦著、共立出版
- 「物性科学事典」、東京大学物性研究所編、東京書籍
- 「空間群のプログラム‐TSPACE」、柳瀬章著、裳華房
- 「ブリュアン・ゾーンとは」(パリティー物理学コース)、柳瀬章著、
丸善株式会社
- 【参考ソフト】
- Crystal Office 96(1995 - 1996)、Atomic Softek
(2)バンド計算関連書籍(教科書)[関連ページ
]
- 「コンピューターによるシリコンテクノロジーI」、山本良一編、
KAIBUNDO(既にIIも出ています)
- 「コンピューターでみる固体の中の電子」、和光信也著、講談社サイエ
ンティフィック
- 「密度汎関数法とその応用‐分子・クラスターの電子状態」、菅野 暁
監修、里子允敏、大西楢平著、講談社サイエンティフィック
- 「コンピューター・シミュレーションによる物質科学‐分子動力学とモ
ンテカルロ法」、川添良幸、三上益弘、大野かおる著、共立出版
- 「空間群のプログラム‐TSPACE」、柳瀬 章著、裳華房
- 「固体電子論」、山下次郎著、朝倉書店(1973)、〔残念ながら現
在絶版です。〕
- 「原子・分子の密度汎関数法」、R.G.パール、W.ヤング著、狩野
覚、関 元、吉田元二 監訳、シュプリンガー・フェアラーク東京
- 「固体電子構造‐物質設計の基礎‐」、藤原毅夫著、朝倉書店
- 「バンド理論‐物質科学の基礎として‐」、小口多美夫著、内田老鶴圃
- 「電子物性論」、上村洸、中尾憲司共著、培風舘
- 雑誌「固体物理」<計算機ナノマテリアルデザイン>特集号(Vol. 39,
No. 11, 2004)
- 「計算機マテリアルデザイン入門」、笠井編、赤井編、吉田編、大阪大
学出版会刊
- 「多体問題」、高田康民著、朝倉書店
- 「Fortran77による数値計算ソフトウェア」、渡辺力、名取亮、小国力
監修、丸善刊
- 「行列計算パッケージ:LAPACK利用の手引」、E. Anderson, et al.、
小国力訳、丸善刊
【本当に使うだけで良いのか?】[目次]
- (危惧される事態)
- 計算プログラムコードのブラックボックス化
- 研究者(若手)のプログラム開発力の低下
- ↑新手法、独自手法の開発が困難となることへの懸念
- 計算結果を鵜呑みにすることへの懸念
- ↑計算結果への検証が正しく出来るか?
- 経験の浅いユーザーの大量出現
- ↑それでも、一からプログラムコードを作り上げるような不毛なことは避けるべき
- (対策)
- バンド計算プログラムコード、入出力、ドキュメント等の共通化、共用化
- ↑いざ新手法に気付いた時、すぐにコード化出来るための開発力の養成・強化に繋がる↓
- ↑上記実現のための環境(インフラ)整備、充実
-
- 若手や経験の浅いユーザーへの教育、啓蒙
- 例1:先日開催された第一回〜第四十五回CMDワークショップ〔国際高等研、阪大基礎工など〕←第四十六回は2025年春頃開催(予定)
- 他にも多くの啓蒙活動(セミナー、ワークショップ等)、教育活動(大学、大学院の講義、特別カリキュラムなど)あり(←昨今は、コロナ禍のためオンラインでの開催が多い)。
【新企画:バンド計算、よくある質問とその回答(問答集[FAQ or Q and A])】[先足][目次]
- [思い付いた順なので必ずしも重要度順ではない。]
- [質問は、筆者の経験等を元にした仮想的なものである。]
- [勿論、回答が正しいとは限らない。][我田引水的である。]
- [↑無保証↓]
- (質問1)バンド計算って? → (回答1)
- (質問2)第一原理って? → (回答2)
- (質問3)収束するとは? → (回答3)
- (質問4)全電子計算って? → (回答4)
- (質問5)擬ポテンシャルって? → (回答5)
- (質問6)バンド計算関連の本って? → (回答6)(回答6その2〔英語の本〕)
- (質問7)いろいろな物質のバンド構造が知りたい。 → (回答7) + そこから辿れるリンク先
- (質問8)バンドって? → (回答8)
- (質問9)密度汎関数法(理論)って? → (回答9)←補足:密度汎関数法 = DFT
- (質問A)局所密度近似って? → (回答A)←補足;局所密度近似 = LDA
- (質問B)LDAを越える試みって? → (回答B)
- (質問C)バンドギャップは何故正しく求まらないの? → (回答C)
- (質問D)何で絶対零度なの? → (回答D)バンド計算におけるDFTが、基底状態(T = 0 K)を前提にしているため。
- (質問E)群論って? → (回答E)群論の教科書を読みましょう。参考:群論に関する【覚書】
- (質問F)逆格子って? → (回答F)固体物理、物性の教科書を読みましょう。
- (質問G)結晶って? → (回答G)同上。
- (質問H)対称性って? → (回答H)回答E、F参照。
- (質問I)バンド計算のコードの入手方法、使い方って? → (回答I)
- (質問J)プログラムコードのデバッグの仕方って? → (回答J)
- (質問K)指導教官がバンド計算を知りません。 → (回答K) 参考:雑誌「表面科学」特集:第一原理計算(Vol. 28, No. 3, 2007) 127 - 163.
- (質問L)バンド計算プログラムコードが動かない。助けて下さい。 → (回答L)(1)それが売り物なら、販売元に問い合わせましょう。(2)GPL等準拠のフリーコードなら、作成者(+グループ、集まり等)に相談しましょう。
- (質問M)上記コードの販売元、作成元が外国です。 → (回答M)勿論、(少なくとも)英語で問い合わせましょう。
- (質問N)当該コードが海賊版(或いは不正に入手したコード)です。 → (回答N)ちゃんとお金を払って、正規ユーザーになりましょう(と言うか、ならなければならない)。
- (質問O)バンド計算にはどんな方法があるの? → (回答O)
- (質問P)バンド計算に疲れました。 → (回答P)休息しましょう。
- (質問Q)バンドギャップって常に過少評価なの?。 → (回答Q)ごくごく稀に例外あり。→ 参考:ハーフホイスラー化合物
- (質問R)第一原理ってことは、高校生でも計算出来るんだな?。 → (回答R)計算するだけなら可能(?)。
- (質問S)バンド理論って? → (回答S) + 固体物理、物性理論の教科書を読むことも薦める。
- (質問T)バンド計算コードを作りたい。 → (回答T) ← コードをゼロから作ることは、あまりお薦めしない。
- (質問U)バンド計算の歴史って? → (回答U)
- (質問V)どんな物質が計算されてるの? → (回答V)
- (質問W)バンド計算関連会議情報はどこ? → (回答W)
- (質問X)最近のバンド計算関連論文って? → (回答X)
- (質問Y)カー・パリネロ法って? → (回答Y)
- (質問Z)第一原理分子動力学法って? → (回答Z)カー・パリネロ法のことです。←少なくとも広い意味でその範疇に入る。
- (質問い)デバッグに疲れました。 → (回答い)の後半参照。一度休んでみることも有効かも。
- (質問ろ)計算結果が実験と合いません。 → (回答ろ)第一原理計算ではよくあること。←参考:雑誌「表面科学」特集:第一原理計算(Vol. 28, No. 3, 2007) 127 - 163.
- (質問は)計算がつまらないです。 → (回答は)(1)研究テーマを変える。(2)研究室(指導教官)を変える。(3)バンド計算から手を引く。
- (質問に)バンド計算コードはどのような計算機の上で動く? → (回答に)昔は、いわゆるメインフレーム機上でしか動きませんでした。現在は、PCからスパコンまでどんなマシンでも動かすことが可能です(結果が伴うかは別問題)。
- (質問ほ)どのくらいの原子数まであつかえるの? → (回答ほ)状況に強く依存するが、最大で千原子〜数万原子が可能になりつつある。趣は異なるが、オーダーN法を使えば、更に巨大な系も扱える(はず)。
- (質問へ)計算結果が実験と合いません(その2)。 → (回答へ)他の同様な理論計算では、実験と良く一致してる場合は、自分の計算のどこかに間違いがある可能性を検証すべき。
- (質問と)その間違いってどこ? → (回答と)多くの場合、自分で探し出して解決するしかありません。
- (質問ち)解決って? → (回答ち)(1)バンド計算の結果と実験の結果が、お互いの許容範囲内で一致すること。(2)バンド計算の結果と実験の結果が一致しない原因が判明し、説明出来ること。
- (質問り)周期的境界条件って? → (回答り)
- (質問ぬ)実空間法って? → (回答ぬ)
- (質問る)オーダーN法って? → (回答る)
- (質問を)全エネルギーって? → (回答を)
- (質問わ)状態密度って? → (回答わ)
- (質問か)スラブモデルって? → (回答か) ← 例:表面系
- (質問よ)仕事関数ってどうやって計算するの? → (回答よ)
- (質問た)力の計算って? → (回答た)←判定方法
- (質問れ)ストレスの計算って? → (回答れ)(回答れ〔その2〕)
- (質問そ)何となく計算結果がしっくりきません(違和感を覚える)。 → (回答そ)実は深刻な問題が隠れている場合があります。出来れば自分が納得出来るまで検証し尽くすことを薦めます。
- (質問つ)計算結果を恣意的に実験結果に合わせていいの? → (回答つ)基本的に駄目です。
- (質問ね)そもそも”合う”ってどういうこと? → (回答ね)雑誌「表面科学」特集:第一原理計算(Vol. 28, No. 3, 2007) 127 - 163を参照。←”何をもって”合うと言うかは難しい問題。
- (質問な)磁気モーメントってどうやって求めるの? → (回答な)
- (質問ら)反強磁性状態ってどうやって計算出来るの? → (回答ら)初期電荷密度をそうなる(=反強磁性)ように設定しておく。勿論、このような磁気構造の計算が可能なコードを使用する。←参考:磁性問題への拡張
- (質問む)国内のバンド計算関連の会合、集まりで有名なのって? → (回答む)CMDワークショップ(開催は関西)、CAMMフォーラム(集まり。拠点は関東、年会費あり)を挙げておきます。←今後追加する可能性あり。
- (質問う)ブロッホの定理って? → (回答う)
- (質問ゐ)バンド計算で良く使われる単位って? → (回答ゐ)
- (質問の)周期的境界条件が課されるということは? → (回答の)バンド計算が扱えるのは、”原則”バルクの完全結晶。←勿論、例外多数。
- (質問お)その例外って? → (回答お)表面系(←”質問か”参照)、不準物、欠陥、空孔、外場の加わった系などなど。
- (質問く)どうやって計算するの? → (回答く)スラブモデル(スラブ近似)、スーパーセル法、実空間法などで対応する。
- (質問や)バンドってどう描くの? → (回答や)最も単純なのは、一番下から順々(下から上へという意味ではない)に繋げていく。←但し、この方法では、非交差の規則は考慮されない。
- (質問ま)もっと洗練された方法はないの? → (回答ま)コードによっては描画用の道具が用意されているものもある。柳瀬先生のT-SPACEの本「空間群のプログラム TSPACE」(裳華房)と関連ページ(柳瀬先生によるTSPACEのページ)は大変参考になる。
- (質問け)バンド構造図でのk点の並べ方を教えて? → (回答け)描画したい物質、またはそれと同じ対称性を持った物質を扱ったバンド計算関連論文等を参考にしましょう。 ← ”回答や”、”回答ま”も参照。
- (質問ふ)その論文等ってどこにあるの? → (回答ふ)google scholarや商用の論文検索エンジン(例:Web of Knowledge[ISI])を利用して探す。←その他参考:”回答V”、”回答X”
- (質問こ)フォノン(格子振動)の計算って? → (回答こ)DFPTでの説明参照。
- (質問え)フォノンの振動数が負になるって? → (回答え)原子をその平衡位置からずらした時、全エネルギーがより低くなってしまうこと。→局所的に構造が不安定であることを示すが、直ちにこれが構造の転移まで起こすことを意味しない。←(∵)局所的に不安定でも、系全体としてエネルギー的に損になるとは限らないから。
- (質問て)フェルミ面って? → (回答て)
- (質問あ)フェルミ面の描き方って? → (回答あ)”回答ま”にある、TSPACE関連の情報等参照。←参考:[The Fermi Surface Database](フロリダ大学)、[Fermi surfaces](TU Dresden)の各ページ
- (質問さ)ネスティングって → (回答さ)
- (質問き)ETTって → (回答き)←Lifshitz転移(リフシッツ転移)とも言う。
- (質問ゆ)他の有用なバンド計算サイト(国内)って → (回答ゆ)←筆者推薦サイト、ページ
- (質問め)全エネルギーって内部エネルギーのこと? → (回答め)絶対零度ではそれでOK。
- (質問み)全エネルギーの精度って? → (回答み)通常で、1 mRy。慎重かつ厳密に計算すれば、1 meVのオーダーの精度の議論が可能。←実際に全エネルギーで比較可能な構造間のエネルギー差が1 meVだったら、どっちが安定と言うのは非常に難しい(困難)。
- (質問し)どんな時でも全エネルギーでの比較は可能なの? → (回答し)A2B3とA3B2のような化学式の異なった化合物同士の比較は出来ない(他にも、同様な例あり:不純物、欠陥等)。←このような場合は、凝集エネルギーで比較する。
- (質問ゑ)HOMO、LUMOって? → (回答ゑ)HOMO: Highest Occupied Molecular Oribtal, LUMO: Lowest Unoccupied Molecular Orbitalの略。量子化学分野でよく使われる。似たような用語として、VBM (= Valence Band Maximum)、CBM (= Conduction Band Minimum)がある。これは半導体(バンドギャップのあるバルク系)を扱う分野でよく使われる。
- (質問ひ)状態密度、バンド構造を網羅的に載せた本ってあるの? → (回答ひ)文献1:V. L. Morruzi, J. F. Janak and A. R. Williams, 'Calculated Electronic Properties of Metals'(Pergamon, New York 1978)、文献2:V. L. Morruzi and C. B. Sommers, 'Calculated Electronic Properties of Ordered Alloys:A Handbook(The Elements and their 3d/3d and 4d/4d alloys)', World Scientific(←文献1、2は金属と合金が対象)、ウェブサイトとしては、回答7とそのリンク先参照(一部、2/9、2012現在、利用出来ないサイトあり)。
- (質問も)バンド計算の問題点って何? → (回答も)通常、バンドギャップが正しく求められないことに代表される精度上の問題=”LDAを越える試み”(→質問B)参照。それ以外には計算量が通常、原子数の約三乗で大きくなる(オーダーN3)問題。これと関連して大きな系を扱うには、膨大な計算機資源が必要なこと。他にも、絶対零度が前提であること、断熱近似の問題、周期的境界条件の問題などなど、いろいろ問題山積である。
- (質問せ)バンド計算が逆格子空間で計算される上で有利な点って? → (回答せ)(1)電子同士のクーロン項(ハートリー項)の計算は実空間で行なうより、逆空間では簡便に行なえる。特に平面波基底では高速フーリエ変換による畳み込みを使って、非常に高速な計算が可能である。(2)計算結果が、実験結果と直接比較出来る(例:バンド構造⇔ARPES、ARUPS)ものがある。(3)その他。
- (質問す)何か連載してるんだって?(7/8現在、2010) → (回答す)連載:”徹底解剖 第一原理計算”の支援ページへ(nims.go.jpページへ)。←連載は既に終了している。
- (質問α)バンド計算の極意ってあるの? → (回答α)筆者も知らない(個々のバンド計算屋さんが各々”極意”のようなものを持っているのかもしれない)。
- (質問β)絶対値って意味あるの? → (回答β)例えば全エネルギーの絶対値にさして意味はない。相対差に意味がある。どのような絶対値も意味がないということではない。
- (質問γ)相対的なら何でも比較していいの? → (回答γ)駄目。同じ系の計算結果でも、異なる手法で計算した全エネルギー同士は比較出来ない(∵基準が共通していないため)。ましてや全く違う物理量同士の比較は論外(バンド計算以前の問題)。
- (質問δ)【祝】2014年ノーベル物理学賞:青色発光ダイオードの窒化ガリウムって何? → (回答δ)2H-GaN(ウルツ鉱構造)の[バンド構造1(png画像、26.6 kb、3d非考慮)][バンド構造2(png画像、28.2 kb、3d考慮)][参考ページ]
- (質問ε)マテリアルズ・インフォマティクスって何?(第一原理計算との関わり?) → (回答ε)マテリアルズ・インフォマティクスの項目参照。
- (質問ζ)異る計算コード同士の全エネルギーの”絶対値”の比較は可能? → (回答ζ)全く意味がない((回答β)も参照)。
- (質問η)予約 → (回答η)
- (質問θ)予約 → (回答θ)
- (質問ι)予約 → (回答ι)
- (質問κ)予約 → (回答κ)
- (質問λ)予約 → (回答λ)
- (質問μ)予約 → (回答μ)
- (質問ν)予約 → (回答ν)
- (質問ξ)予約 → (回答ξ)
- (質問ο)予約 → (回答ο)
- (質問π)予約 → (回答π)
- (質問ρ)予約 → (回答ρ)
- (質問σ)予約 → (回答σ)
- (質問τ)予約 → (回答τ)
- (質問υ)予約 → (回答υ)
- (質問φ)予約 → (回答φ)
- (質問χ)予約 → (回答χ)
- (質問ψ)予約 → (回答ψ)
- (質問ω)予約 → (回答ω)
-
- (質問∞)その他の質問。 → (回答∞)検索エンジン等を利用しましょう。
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