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ページのサイズが大きくなったので、新たに雑感2を作りました。

雑感F(5/7、1998)

最近、ATAPI仕様の内蔵用CD‐Rドライブ(装置、リコー製のバルク品、 多分RICOH MP6200Aと判明、匡体はキャラベルデータシステムとある)を2つ 買い込みました。あまりハードに関しての立ち行った話はできないのですが、 ATAPIということはE-IDE接続用のCD‐Rドライブということで、既存のCD ドライブ(普通はIDE接続)と置き替えて使うことができます。

普通、CD‐RというといままではSCSI接続が主流(今でも)でした。 SCSIの場合、SCSIボードが必要で、特にCD‐Rの場合転送速度が遅 いと正しく書き込みができない可能性があるため、それなりの高速なSCSI ボードや、ハイインピーダンス仕様の高級なSCSIケーブルが必要でした。

筆者は既に、ゲートウェイのG6-200 multimediaという最初からCD‐Rを 搭載したマシン(CD‐Rは内蔵で、SCSI接続)を持っていました(仕事 用なので研究所にある)。これはちゃんと正しく稼働しており、CD‐Rへの 書き込みも問題なく行なえています。

次は、自宅でもCD‐Rへの書き込みを行なってみようということで、今回 上記CD‐Rを購入した訳です。1台は富士通のDeskPower SX、今1台はメル コのベアキットMVK-BV5に内蔵CDドライブの替わりとして接続しました。若 干、最初トラブル(ジャンパーの設定の書類が何故かSCSI用だったりした!?) もありましたが、無事にCDとして認識しました。E-IDE接続でもやはり書き 込みのためには、可能な限り高速なデータの転送が必要で、ちゃんと書き込み ができるか心配でしたが、問題なくいずれのマシンでも書き込みができました。

これにより自宅でもCD‐Rへの書き込みが可能となりNCPS97用CD‐ R作成、テストの効率も一段と増すことになります。早速、マルチセッション の記録や、jolietフォーマット形式と、ISO9660形式との混在(セッション毎 の記録)が可能かなどを調べています。

因みに、書き込みソフトは、購入したCD‐R装置に付いていたEasy-CD Pro(Adaptec社製)を使用しました。

更に、筆者はインストーラー自動作成支援ソフトWISE(文化オリエント社製、 登録葉書送付済み)を購入、NCPS97をハードディスクへ自動転送するた めのインストーラーを作成しました(このソフトは大変良いです)。まだ試作 品作成及びテストの段階ですが、今後配布するNCPS97用CD‐Rには、 このインストーラーが付いてくると思います(乞う御期待)。

雑感G(5/13、1998)

このウェブページも、全体として非常に巨大化してしまいました。実質上個 人のページとして管理していくにはなかなか困難な状況になりつつあります。 またホームページの作りたての頃は、大規模な更新量だったようなドキュメン トの追加が、今ではごくごく小規模な修正程度になってしまってもいます。

加えて、それなりにページが全体として落ち着いてくると、大規模な修正や、 模様替えがやりにくくなります(少々言い訳モード^^;)。

今回の本当の本題は、最近赤井先生のところの小谷さん(現在、鳥取大学) が、FORTRAN(90)に関して、新しい言語仕様を提案していることに関連してい ます。ニュースグループでは大分盛り上がっているようです。この提案は大変 興味深く、バンド計算という手法に限定している訳ではないですが、如何にし てバグの無いプログラムを構築するかということに対しての一つの解答を提示 しています(かと言って全てのバグをなくせる訳ではありませんが)。

ここでは、これとは直接は関係ないですが、久々に雑感編(の経緯、推移から推移7参照) で書かれたことの続きを述べたいと思います。

筆者としては小谷さんの提案した言語仕様はFORTRAN90と共存するような形 の他に、独立した仕様にして、バンド計算専用仕様のような特化したものにす るのも(そのようなバージョンも別途作ってしまう)一考かと思います。最近、 HDL(Hardware Description Language、ハードウェア記述言語)なるもの が存在し、これをもとに集積回路の回路図が作成できてしまいます。HDLで バンド計算プログラムを記述できるのかは筆者には今のところ分かりませんが、 小谷さんの考えている言語仕様をHDLのように直接ハードウェアの回路図を 記述できるようにできれば、バンド計算専用チップなるものが、安価にそれも 素早く製作することが可能になるかもしれません。

既に巷では、MDエンジン(古典分子動力学法の専用ボード)が販売されて います。これまではバンド計算手法は、専用チップ化するには、プログラムの 構造が複雑で、チップ化が可能でもそれが量産されるころには、より新しい方 法が出現(とまではいかなくても、小規模な修正、改良は日常茶飯事)してし まうため、ほとんどそのようなアプローチは存在しませんでした。しかし、最 近HDLの存在を知って、バンド計算専用チップの実現の可能性(すぐに量産 して採算が取れるかは疑問)がありそうだと思うようになりました。

そこまでいかなくとも、小谷さんの言語仕様からは、バンド計算ジェネレー ターのようなものが作れるのではないかとも思っています(そのままでは無理 かもしれませんが)。つまり一旦、簡単なバンド計算言語仕様を作り、これを 使ってバンド計算手順を指定し、これをもとにFORTRAN90(77、またはHPF)によ る実際のバンド計算プログラムを自動生成して、コンパイル、リンク、実行ま でしてしまうようなシステムを作ってしまえる可能性があるということです。
更に、もっと深入りすれば、例えばグラフィックソフトで有名なAVSのネッ トワークエディターのように、バンド計算手順をパーツ化(アイコンのような ものにして)して、それぞれのパーツ(アイコン)を視覚的(ビジュアル)に 繋ぎ合わせて、一連のバンド計算手順を構成し、そこから直接バンド計算を実 行させるようなことができれば、バンド計算も一気に身近なものになると思い ます。

(5/15、1998)昨日、ニュースグループ(fj.comp.lang.fortran) を見てみると、小谷さんの新言語仕様に関して、活発(で有用)な議論が続い ています。かなり専門的に深く込み行った話もあり、筆者には着いていけない 部分もありますが、小谷さんの立ち場は、バンド計算(と言うより数値計算) の開発者、専門家(が対象)としてのものと見受けられます。ちょっとこの部 分は筆者と考え方の視点が異なります。筆者は、完全にバンド計算に特化した 話〔狭い〕にしてしまっています。また、対象もバンド計算に関しては素人な 研究者を想定しています(だから、前述のAVSのネットワークエディターの ようなものを持ち出した)。

ただよく考えてみると、ネットワークエディターのようなグラフィカル(視 覚的)な形でのバンド計算の編集(エディット)は、小谷さんの言語仕様の話 とは全く違う話のように(筆者の全くの的外れな意見)思えてきています。

因みに、どうでもよい話ですが、既にこのウェブサイトも2年が経ちました。


雑感H (9/21、1998) [目次]

今回は、学会のバンド計算関連発表者リストは作成しないこにしました。そ の理由として、

(1)既に時間がない。
(2)今回筆者は学会に参加しない(そのためあまりやる気がない)。
(3)学会からの公式のオンラインプログラムが公開されている。

などが主なものとして挙げられます。

ほとんど誰も期待していなかったと思いますが、ここでお詫びします。


(注)沖縄〔学会〕に行っている皆様への情報は閉じました(学会が終了した ため)。

(9/22、1998)本ウェブページも大変肥大化したものになってしま いました。既に、個人で維持できる限界が近付いているように思えます。これ からは、スリム化の必要があると言えます。

ページ数は、最初の頃と比べて、飛躍的に増えています。その中には多くの 内外に飛んで行くリンクが存在し、その全体像は大変複雑になってしまってい ます。

「継続は力なり(毎日メンテナンス〔ページの更新〕をする)」、「情報を 制する者、世界を制す」(どこかの予備校のスローガンのようですが)という 戦略、方針でウェブページを構築してきました。特に日本人は、「情報」(の 価値)を軽視しているとよく言われますが、筆者もその通りと考えます。

ただ筆者も、情報を本当に駆使しているか、大事にしているかと言うと、正 直自信がありません。先にも述べたように、肥大化するページ内の、ドキュメ ント、リンク等の情報の扱いからして「情報の価値」を本当に自覚しているの か怪しい限りです。

(10/23、1998)因みに、本ウェブページ(旧アドレス:http://www.nirim.go.jp/staff/kobayak/以下の全 ページ、閉鎖)の製作、管理を行なっているのは筆者一人であります。情報提 供、アドバイス等をしてくれる方はおりますが、ページ作成そのものは筆者の みが当っています。
手下とかは特にいません(本当は猫の手も借りたい時もありますが、、、)。

雑感I (11/1、1998) [目次]

既に、ご存知の方も多いかと思いますが、日本DECがCOMPAQと10 月1日付けで合併しました。

筆者としては(公的な身とは言え)、DECのブランドが消えていく(現行 製品のDECブランド名は、あと1、2年程度存続する)のに、若干の寂りょ う感を禁じ得ません。

想えば、筆者がメインフレーム、スーパーコンピューターを中心としてバン ド計算をしてきた世界から、ワークステーションしか使用できない状態に陥っ た時、一番最初に筆者のバンド計算プログラムがちゃんと稼働したのが、この DEC(正確にはOEM製品であるTitanシリーズ)のAlphaチップマシンでし た。

それ以降、その他のメーカーのワークステーションや、PC環境(Windows)、 PC-UNIX(f2c+gcc)などでも稼働するようになりましたが、DEC上で動いて いなかったら、その後の筆者の研究姿勢も大分変わったものになっていたかも しれません。

筆者としては、このように新しい可能性の道を示してくれたDEC(alpha チップ)マシンに深く感謝したいと思う次第です。

雑感J (12/17、1998) [目次]

最近、TurboLinuxがversion3.0にバージョンアップしました。筆者は、つく ばのC-YOU(パソコン販売店)で、これを見つけて購入してしまいました。早 速、自宅のK6-300MHz(K6-2ではない)マシン(一応半自作)にインストール してみました。最初、グラフィックボードがcreative mediaの3D Blaster Bansheeでは、TurboLinux側がまだ対応していないので、X-Windowが起動しま せんでした。XF86Setupを使ってみましたが、うんともすんとも言わなくなっ てしまいます。

何らかの対応手段があるのかもしれませんが、筆者の力量ではこれ以上の対 応は無理と判断し、筆者は再びC-YOUで、ちょっと古め(おそらく台湾製か) のグラフィックボード(S3のTrio64V2)を探し出し購入、先の3D Blaster Bansheeと取り買え、再度TurboLinux3.0をインストールし直しました。今度は、 グラフィックボードもネットワークカードも認識し、X-Windowも無事に立ち上 がりました(めでたしめでたし)。

しかし、筆者の最終目的は、X-Windowを立ち上げることではありません。そ うです、筆者のバンド計算プログラムが動くかどうかを確かめたかったのです。 過去の経験から、f2cでならプログラムは問題なく稼働することが分っていま す。そこで、TurboLinux3.0上でも、まずf2cでの動作確認を行なってみました。

f2c -r8 revpe_d.f

gcc -lm revpe_d.c -lf2c

若干のソースの変更(一部エラー表示されるサブルーチン〔バンド計算には 影響を与えないルーチン〕を削除、DREALをREALに置換)で、上記操作により 実行ファイルが生成され、無事、./a.outで実行できました。

更に、筆者はより大規模な系でのテスト計算を試みてみました。扱う系はスー パーセルに64個詰めた炭素(ダイヤモンド構造)です。計算条件はエネルギー カットオフは49Ry(大体の平面波数14000、k点はΓ点のみのです。 この系で大体200、300MBのメモリーを必要とするのですが、筆者の上 記半自作マシンは320MBのメモリーを積んでいるので動作するだろうと思っ ていたのですが、最初はsegmentation faultで実行できませんでした。

おかしいと思い、topで調べてみるとメモリーが64MBと表示されていま す。調べてみると、64MB以上の場合、メモリー量を指定する必要があるこ とが分りました。Linux起動時にboot: Linux mem=320Mとしてメモリー量を指 定して起動すると、今度はtopでも320MBのメモリーがあると表示されま した。そして、先のダイヤモンド(64個系)の計算も可能になりました。

実行時間に関しては、半日の計算で15、16イタレーション程度です。こ れは決して速いとは言えません。FFT部分の 換装と、CPUをPentiumIIの450MHzにすれはもう4倍位は速くな ると思われます。この位だと1日で120回程度イタレーションが回るので、 1週間で800から900回となり、これなら構造最適化を含んだ計算も可能 になります。

一応、g77も使用可能なようですが、まだ(12/17、1998)試して いません。昨日(12/21、1998)、試してみましたが、失敗しました。 g77のバージョンは0.5.18(TurboLinux3.0)です。問題は、f2cには-r8オプショ ンというのがあり、単精度→倍精度への精度拡張が可能なのですが、g77で、 このような精度拡張がどうやって実現できるのか分らないことです。-r8とい うオプションはg77にはなく(コンパイル時にそのようなオプションはないと 言われる)、man g77、info g77をみても精度拡張に関しての記述がありませ ん(現在、調査を続行中)。

また、他のマシンから、ネットワーク(家庭内LAN)経由で接続可能で、最 初にtelnetでこのLinuxマシンにログインできた時には感動してしまいました (既に、これはLinuxMLDIIで実現していた〔雑感Eの終りの方参照〕話です)。

筆者が既に持っていたLinux MLDIIも Linux MLDIIIへとバージョンアップしたので、これもバージョンアップ購入し てしまいました。現在、インストールには成功していますが、ちょっとファイ ル領域の問題でf2c等の実行は先送りされています(MLDIIではf2c+gccで動い た)。

(12/24、1998)Linux MLDIIIに関しては、何とかディスク容量の 問題を解決して、f2c -r8 revpe_d.fまでは実行可能になりました。これによ り、revpe_d.cもでの変換はできるようになったのですが、gccによるコンパイ ル(正確にはリンクでこける)で失敗してしまい、実行ファイルが作れません。 どうも原因は、ディスク容量を確保しようといろいろ操作している中で、必要 ないと思って削除したファイルの中に本当は重要必須なものがあったようです (更なる調査続行中)。このLinux MLDIIIでもやはりg77は不可でした。

尚、ここで動かしたrevpe_d.fは、公開 版とは若干異なります。
現在(12/21、1998)、並列化情報ページにPC-UNIX(Linuxが中心)上にお ける並列化関連のウェブページを追加しました。特に筆者としては富士通の AP1000に(Sparc)Linuxを走らせるプロジェクトの話には興味があります。確か、 APシリーズではVPP(富士通のベクトル並列計算機)で動くフォートラン 用の並列化指示行が使用可能で、VPP用の並列化コードがAP上でも並列実 行(AP用の純正UNIX-OS上での話)できるはずで、もしこれがこの (Sparc)Linux上でも実現すれば、VPP用のコードを持っている筆者にとって は大いに期待するところです(もしかしたら、もっと一般的なクラスターマシ ンシステム上で動くLinux-OS上でVPPフォートランによる並列化が実現する かもしれないから、、、但し、ライセンス云々を考えると難しいか?)。

雑感K (3/3、1999、雛祭り) [目次]

最初にBHSの論文を見た時、交換項 εxに対する相対論補正項というのものがあるのか(4205頁式 2.8)と思っていただけでした。

筆者の場合、Auのような重い原子の擬ポテンシャルを作る場合(NCPS用) でも、現時点では(いまだに)交換相関項にWigner形式を用いています。ただ、Auほどの重い原 子に本当にWigner形式で良いのかというのにはちょっと問題がありそうだとい うことが分かっています。まず、実際これで作った擬ポテンシャルによって得 られた格子定数は実験値より2.5%も伸びてしまうことが分かっています (表参照、pngファイル、22KB)。

この原因は、また完全に特定できていないのですが、先のから5d遷移金属のような重い元素で格 子定数が伸び目に出ている場合が多いことから、相対論効果の影響があるので はと考えています。擬ポテンシャルはKoeling and Harmonの形式による原子の計算を元にしているので、 Scalar relativisticな効果までは考慮されています(full relativisticでは ない)。

先日、筑波大の鈴木修吾先生のセミナーが金材研であり、full relativisticなバンド計算についての話しを聞いた時、非相対論なバンド計算 で格子定数を求めると長めに出るが、full relativisticな計算を行なうと、 それが改善されるということを知りました。そこで、筆者もfull relativisticなアプローチは無理でも、少なくともWigner形式は、改善の余地 があり、更に、交換項も前述の相対論補正が必要だと考えました。

実際、本当に改善が必要かにはもう少し検証を試みる必要があります。相対 論効果に関しては一応、Scalar relativisticまでは考慮されています。実際、 テストすると擬ポテンシャル作成時の切断半径を変えることにより、5d遷移 金属(含む貴金属)でも格子定数の値が改善されるものが出ています(この段 階でここで記述しているような相対論に対しての補正は行なわず、交換相関項 もWignerのまま)。

実はここからが本題なのですが、このことで筆者は、BHSの2.8式の補 正式を自分のバンド計算プログラムに導入しようと考えたのですが、この2. 8式にちょっと問題があることを発見しました(気が付いている人はもうご存 知と思いますが)。きっかけは、確認のために、確か里子先生(正確には菅野、 里子、大西)の著書”密度汎関数法とそ の応用”にもこの補正項の式があった(82頁)ことを思い出し、その式を見 てみると、BHSの式と少し違っていました。

BHS側では、交換エネルギー項の補正式の、[]内の第一項が(1+β) 1/2/βですが、”密度汎関数法とその応用”では、(1+β 21/2/βでした。直観的には、次元やオーダーを考 えると、後者の式が正しいように見えます。

しかしこれだけでは何とも言えないので、この補正式の大元の論文、 A. H. MacDonald and S. H. Vosko, J. Phys. C: Solid State Phys., Vol. 12, 2977(1979)を当たってみることにしました。この文献から(式3. 4が該当する式)、(筆者は式を完全にフォローした訳ではないのですが)や はり”密度汎関数法とその応用”にあった式の方が正しいことが判明しました。

ただこの時、このMacDonaldとVoskoの肝心な式3.4にも間違い(単なるタ イプミスですが)がありました。式では1ー3/2[(βnーlnξ)/β 22とありますが、このβn(どう見てもnに見える) は、βηが正しいです。そうでないと”密度汎関数法とその応用”の式と一致 しません。先ほども述べたように何故、η=(1+β21/2かまではフォローしていません(本当はフォローすべきなので すが)。

結局、間違いはいずれも単純なタイプミスで、β(誤)→ β2 (正)(BHS)、βn(誤り)→βη(正)(MacDonald and Vosko)でし た。やはり、論文の中の表式は鵜呑みせずに、ちゃんとフォローすべき(と言っ て厳格にはしてないが^^;)だと実感しています。

(3/9、1999)その後、更に問題点が存在することが判明しています。 現在、調査(というか勉強)中です。

雑感L (4/5、1999) [ 目次]

3/27(土)の夜、腰が痛いなと思っていたら、翌日、立って歩くのすら 苦痛になるほど腰が痛くなってしまいました。いわゆる”ギックリ腰”になっ てしまい、とうとう学会に行けませんでした。残念であります。

今回は概要集原稿は出せず、講演にも参加できず、関係各位に御迷惑をおか けしたことをここで深くお詫びします。

このような激しい腰痛は初めての経験で、とにかく家でじっとしていました。 幸い現在は痛みも大分退いています。

雑感M (4/30、1999) [ 目次]

”計算物質科学フォーラム研究会〔第一回〕”開催のお知らせを発見して2 週間以上経ちました。いわゆる”日本バンド屋さんに告ぐ”の推移8から1年ぶりの文章(推移9)です。

筆者としては、この研究会に大きな期待を持っています。ここを境として日 本のバンド計算(この研究会はバンド計算だけのものではなく、動力学計算、 量子化学計算などの計算科学的な手法が対象となっています)の今後の盛衰が 決まるのではと思います。

とにかく、バンド屋さんの間で通じる共通の言語(日本語、英語、或は FORTRAN、C++という意味ではなく、むしろインターフェースみたなものと捉え て下さい。そういう意味では言語と言うより、概念、手順と言った方が良いか もしれません)が是非必要であり、そのようなものが確立されれば、人の交流 を活発化させて、日本のバンド計算のソフトウェア部分を向上させることがで きると思われます。

これは例えば、あるバンド計算関連の研究室出身のポスドクの人が別のグルー プ(または研究室)にやって来た時、そのポスドクの持ってきたプログラムの 中に、そのグループでは扱っていない方法(手法)や、有用なサブルーチンが あり、そのグループがそれを自分達が保有するプログラムに導入したいと思っ た時(当然、この時導入の許諾をそのポスドク及び元のグループでのプログラ ムの製作、著作に関わった者〔グループ外にも存在する可能性あり〕全てに対 して取っていることが前提)、入力(できれば出力も)データ、サブルーチン の引数受渡しなどの仕様が共通であれば、さして困難もなく導入作業を行なう ことができます。
しかし、今の現状では、同じ系列(オリジナルが共通)のプログラムでない 限り、仕様はまちまち(お互い非常に異なることもある)で導入、移植は非常 に面倒です(不可能ではないが、大変な労力と時間が必要)。

翻って、現在の筆者の状況をみると、相変わらず雑用に追われ、うるさい雑 音(最近、本当の意味での[工事等による]雑音も多い)に集中力をそがれて います。ポスドクの人の面倒を見る余裕もないのが実情。

最近思うに、研究環境の問題も見過ごせません。日本中の多くの研究者は” 劣悪”と言うのは大袈裟かもしれませんが、あまり研究環境が良くありません。 特に、バンド計算関連の研究者の中には、計算機の面倒、特に自分占有ではな い共通的、共同利用的な計算機の面倒を看ている場合があります(全てのバン ド計算関連研究者がそうではないですが)。非常に少ないスタッフ(人材)で 共通的、共同利用的な計算機を扱っていくのは非常に大変なことです。特に最 近はネットワーク絡みのセキュリティ(安全性)についても気を配らねばなり ません(共通的、共同利用的マシンは、その目的故に外に対しても開かれてい る場合が多い)。
間接的ながら、この問題(人的資源の不足が主原因)も日本でのバンド計算 (計算機を使った理論物理全般)の発展を妨げるもの、遅らせるものとして見 過ごすことができません。

雑感N(7/2、1999)[目 次]

BAND-Pack構想。バンド計算プログラム全体のパッケージではなく、パーツ 化したルーチン、ツール(道具)を”バンド計算”用ライブラリパックとして 配布することは大変意義のあることではないかと考えています。

既に、海外では多数の、かつ内容の充実したバンド計算プログラムパッケー ジが存在します[参照ページ]。この意味で、 今更ながら新たなバンド計算パッケージを提案、公開していくことにどれほど の価値と意味があるか、十分議論を尽くす必要があるのではないかと思います (筆者は全く意味がないとは思っていませんが、安易に結論を下せる性格のも のではないと思っています)。

これらのパッケージには、その中にライブラリ的な性格をもったルーチン群、 ツール等も付属していたり、入手可能なものがあります。しかし、完全に単独 なバンド計算ライブラリというものは、今のところ筆者は知りません。感覚と しては。LAPACK(例、[LAPACK90])の ようなものを想定しています。

これには単なる、FORTRANによるバンド計算用ライブラリだけではなく、ツー ル類(道具類)も含ませます。ツール(道具)としては、擬ポテンシャル作成 支援(プログラムによるポテンシャル生成、またはデータベースからの利用ど ちらでも選べるようにする)、バンド構造描画、電荷密度描画、フェルミ面描 画、結晶構造描画(表示)、ブリュアンゾーン描画、単位変換(Hartree ← Rydberg、Hartree → Rydberg、及びそれらからMKS単位などへの変換)、 並列化支援、有用なユーザーインターフェース(含むインターフェースの設計 構築支援)などが挙げられます。これらにはバンド計算本体でも使用されるも のも含まれ、バンド計算を遂行する上で、有用、便利なものがツール(道具) となります。

Band-PACKでのバンド計算用のライブラリとしては、行列要素作成、対角化、 共役勾配法、最急降下法(その他、波動関数更新に関しての諸方法別のルーチ ン)、古典MD部分、k点に関しての足し上げ各種方法(例:テトラヘドロン 法)、エバルト、初期電荷生成、直交化、力の計算、ストレスの計算、交換相 関項部分(+GGA)などなどの各計算部分をライブラリ化します。
この他にも、バンド計算における拡張機能として、格子振動(フォノン)の 計算、グルナイセンパラメーターの計算、超微細構造因子、運動量密度(分布)、 GW近似、SICなど(それぞれの用語は、用語集 をご参照下さい、但し載っていない用語もあります)のオプション的なラ イブラリも用意する必要があります。

こうしておくと、規格が共通であれば、Band-PACKから個々のライブラリを 取ってきて、自分のバンド計算プログラムに自由に導入することが可能となり ます。

もし、これを”つくば”で作るなら、”つくバンドパック”という和名は大 変(個人的には)よいと思うのですが、いかがでしょうか?(英語では” Tsuku-BAND Pack”か、、あまり面白くない)

(11/5、1999)海外でも、上記と似た考え方のパッケージ(ライブラ リ)が考えられているようです(三上先生情報感謝 )。現在、詳細については調査中です。


雑感O(10/4、1999)[ 目次]

今回、日本物理学会秋の分科会(岩手大学)に参加しました。沖縄、広島と も学会に参加できなかったので1年半ぶりの学会でした。久々だったので、バ ンド計算関連の講演ではばんばん質問してしまいました。

1年半ぶりの学会で思ったことは、バンド計算関連の講演(発表)が、
(1)その領域のセッションに講演(発表)内容がしっくりきていない。
(2)バンド計算関連の講演(発表)が同じ時間帯に重なっている。
(3)バンド計算関連の講演(発表)がちらばっている。
などでした。

これは、学会夜での”飲み会”で話に上りました。特に、バンド計算関連の 講演(発表)では、それが方法論を中心とする話か、実際の物質の計算とその 結果(の考察)の話であるかによって、登壇すべき領域、セッションをもう少 し考えるべきという意見には傾聴すべきものがあります。

周りが実験に関する発表の中で、方法論中心のバンド計算の発表をされても” 場違い”の感は拭えません。逆に旧物性基礎・統計の電子論(理論)関係のセッ ションで、現実の物質の計算の結果と解釈(考察)を話されても、やはり”場 違い”なものと言えます。

ここ1年半の間で、学会の発表でも”領域”という新しい分け方が登場し、 また、今回の学会ではプログラムの作成に関してトラブルがあったとも聞きま す。今後もまだいろいろ戸惑うことはあると思いますが、バンド計算関連の講 演、発表はちらばっていて、ばらばらという状況から何とか脱して欲しいと願 う次第です。

やはり講演申し込み段階で、自分の発表、講演する場所が妥当なものかどう か今一度吟味する必要があると思います。また、なるべくバンド計算関連研究 者同士で横の連携(繋がり)をもって、同じような話、似た話しはなるべく同 じところ(セッション)で講演、発表するようにしたいものです。

これは、何も誰かが学会の世話人になって、八方で尽力するというような、 義務的な話や、仕事の強制を意味しません。もう少しバンド屋さん同士がお互 いを意識して、横の繋がりを考えれば、このばらばらちりじりの状態は改善で きるものと信じています。

より具体的な方策として、
(1)なるべく他のバンド屋さん、バンド計算関連グループとの横の繋がりを 持つ。
(2)学会前に、できる限りでいいから、知っているバンド屋さんとどこら辺 に出すか、あるいはこの発表がそのセッションで妥当か、それともそぐわない かどうか聞いてみる。
(3)但し、(2)の場合、事前に自分の発表内容が他のバンド屋さん、グルー プに知られるという問題が生じるので、知られてまずい場合は、共同研究者が いれば、それに相談する。共同研究者がいない場合は、このセッションの発表 でよいか慎重に自問自答する。
(4)バンド屋さん関連のウェブサイトでも、掲示版を設置しているところが 幾つかあるので、それを利用する。例えば、”自分は’これこれ’の題目で発 表するが、これはこのセッションで妥当か”と尋ねるとか、”この計算に関し て同じ方法を使っている者同士一緒のセッションで申し込みしないか”とかを 募ったりするのも良いかもしれない(この場合も、前述の(3)の問題は付き まとう)。
(5)セミナー等で会った時に、学会申し込みに関して、もしまとめられるな らそうしようとお互い呼び掛け合う(相談する)。
などなどが挙げられます。但し、これは義務的なものでは決してなく、誰か が仕切るというものでも、強制するというものでもありません。気軽に話せる 範囲での連携(繋がり)と思ってもらえれば幸いです。それだけでも、状況は 大幅に改善する可能性があります。

特に、東京(とその近辺)、大阪(とその近辺)、つくば市周辺などは、そ れぞれ多くのバンド計算関連拠点があり、その周りにいくつかの小さなバンド 計算グループ(無機材研の筆者のところなどが該当)が日夜懸命(^^;)に研 究を行なっています。近くに同業者が沢山いるということは、お互い声を掛け 合って、学会での効率良いスケジュールが組めるよう図ることが可能だと言え ないでしょうか?。

雑感P(1/4、2000)[目 次][自作PC]

お正月中に、一台自作PCを作りました。これまで、キットものや、ベアボー ンキットや、マザーボード取り換えなどは行なってきましたが、ケースから何 から全ての各パーツ(部品)をばらで用意してマシンを組み上げるのは初めて でした。自作マシンの仕様は、

です。いろいろ曲折はありましたが、何とか動いています。

(一番の失敗)
HDDは着脱式を使用し、複数OS(Windows系、Linux系、その他)を切替 えられるようにと考えたのですが、当初、PCケースにマザーボード(CPU +メモリー)、CD-ROM、HDD(着脱式)等を設置後、電源を入れてもHDDが 認識できないでいました。
いろいろ試している内に、着脱式用装置の説明書を良く読むと、HDDをセッ トした後キーロックしないと通電しないことが分かりました。電源が入ってな ければHDDが動くはずもなく、マザーボード側で認識できるはずもなかった 訳です。

(ベンチマーク結果)
HDBENCH(ソフト製作者に感謝、ver 3.00)によると、All:12614、 CPU:21078(整数)、21943(浮動小数点数)という結果が得られています。
(注意)
Allの値は、CPU以外のメモリー、グラフィックカード、HDD等(ここ では表示略)も含めた総合性能です。従って、CPU性能が劣っていても、 Allの値は良いという場合があります。
以上のデータを見ると、Celeron 500MHz(Socket 370)の方が、Pentium III 500MHzより速いという結果になっています(本当かどうか調査検討中、1/ 14、2000)。
調査の結果、やはりHDBENCHプログラムのバージョンが異なることが判明し ました。Celeron 500MHz(自作PC)は、HDBENCHのver 3.00の結果ですが、 他はver 3.10での結果でした。今後、全て同一のバージョンでの結果にする予 定です。

(バンド計算との関連)
いまだWindowsマシンでしかないので、バンド計算との関連は今のところほ とんどありません。一応これはセカンドマシン(2番手PC)としての地位な ので、Linux等を導入するかはまだ検討中です(HDDは着脱式なので、 Windows98用、Windows2000用、Linux用等別々にHDDを用意してとっかえひっ かえOSを切替えながら使うことは可能)。
個人用のバンド計算用自作PCの可能性について、別のページで議論してい く予定。


雑感Q(2/25、2000)[ 目次]

ようやく無機材研のウェブサーバーも、稼働再開の見込みが出てきた。筆者 は、以前から、「インターネットは砂上の楼閣の上の砂の城だ!」と常々思っ てきたが、期せずして、それが現実のものとなったと言える。”WWW”とか、” インターネット”なるものは確かに将来の社会にとって必須なものとなり、次 の文明を担うものの最有力候補なのかもしれない。しかし、その基盤は脆弱で あり、一歩間違えれば無残に崩壊する危うさを持っていることを実感した。

「太平の眠りを覚ますクラッカー、たった数枚でネットは動かず」

(2/29、2000)この一ヶ月余りのウェブサーバー停止に伴って、い ろいろ新たな知識、経験を積むことができた。まず第一に、自宅(実家)から の(携帯)電話回線経由による外部への接続を行なったこと。第二に無料ウェ ブページ用領域貸し出しサイト([Geocities]〔利用不可〕)に登録、筆者ウェブペー ジのバックアップ(予備)サイトを構築したこと(無機材研ウェブサーバー停 止中は臨時サイトとして運用)。第三に無料プロバイダへの登録([Livedoor])である。

多くの知見を得ることができたが、一方では損失も大きい。(1)一ヶ月近 くに渡り筆者ウェブページはアクセス不能に陥り、筆者ウェブページに来訪し てくれた方々にご迷惑をおかけしたこと(信用の失墜と言ったら言い過ぎか、、、)。 (2)自宅(実家)からの携帯電話による接続は、大変電話料金がかかるだろ うこと。実は筆者は、これまで5年余りにわたり携帯電話を使用してきたが、 月の通話料金は最近では10円、20円(換算)程度で、ほとんど通話したこ とがなかった。今回、1日1時間以上のペースで通話(接続)を行なっている が、一体どのくらいの料金がかかるのか見当もつかない状況である。(3)今 後、筆者メインサイト(6/26、2001、現在閉鎖中)とバックアップ (予備)[サイト (利用不可)]の二つのインターネット資源を扱っていかねばならない。これは作業の 二重化であり、操作ミスなどを誘発する可能性があるのだが、現状ではいた仕 方ない。
(3/9、2000)昨日、携帯電話会社から2月 における通話料金の通知が届いた。請求された金額は1万円余りで、危惧して いた金額よりずっと少なくて済んだ。実際の通話料金は約8200円余り(内 4500円分までは無料だったので実際に通話料金として請求されたのは37 00円余り)だった。外部との通信(接続)を開始したのが2月14日頃で、 約2週間、1日当たり1、2時間程度の接続で、1万円程度なら十分許容でき る金額である(ちょっと安心)。これでこれからも携帯電話+ME144KTIによる 外部への接続が心置きなく行なえる(14.4kbpsという通信速度はやはり遅いが)。
(3/10、2000)これまでの携帯電話の通話料が、実質10円、20 円(実際は4500円までは課金されず)という状況が、一気に8000円を 越えてしまった訳で、これは筆者にとって記録的と言っていい金額である。先 月は後半の2週間接続、通信を行なったが、一ヶ月まるまる使ったとしても、 おそらく2万円はいかないだろう。

(3/6、2000)更に、PCIバス用の56kモデム(I56LVP、日本レ クトン株式会社)を購入。自宅には電話回線がないので、実家で試してみる。 既に、USB用による携帯電話用の接続ケーブル、ME144KTI(OMRON)を導入して いたので、ハードウェア自動認識後のドライバのインストール等の設定は特に 支障なく行なえた。COM3が、PCI用モデムとUSB用接続ケーブルと二つが同時に 設定される状況となったが、[livedoor]専用の接続ソフト上で、選択 可能なので、今回はPCI用モデムを選択、接続を試みた。
既に、筆者は大分前であるが、物性研の大型計算機に接続したことがあり、 実家にはその時使った長いモジュラーケーブル(おそらく10m以上)があっ たので、それを使用したが、特に問題なかった。livedoorへの接続も難なく成 功し、読み込み時で最大56kbpsの通信速度の速さにちょっと感動した。 携帯電話+ME144KTIでは最大でも14.4kbpsの通信速度であった(実際 は9600bpsかもしれない)が、電話回線+I56LVPではその4倍近い速度 となり、実際、ブラウザでのアクセス速度が格段に向上することが体感できた。

(3/7、2000)筆者は、10年も前に、モデム経由で物性研の大型計 算機を使用した経験はあったが、それ以降、自宅(または実家)から電話回線 経由で外部と接続したことはなかった。理由は、電話代や、プロバイダ登録料 金と月々の契約料などお金の問題。と、もう一つ、一度(ひとたび)外部と接 続してしまうと、いわゆるインターネットにはまり込んでしまうのではという 危惧があったからである。職場では当然、それなりに自制が働くが、自宅(実 家)から休日、勤務時間外に外部へ接続するなら自制を働かせる必要がなくなっ てしまう(だからと言って違法なことをする訳ではないが)。


雑感R(3/30、2000)[ 目次]

(物性研移転に想う)
年度末となりましたが、筆者にとっての学会(物理学会、応用物理学会)も 終り、一息ついたところですが、昨日(3/29)、物性研に久々に寄ってみ たところ、既に理論部門はもぬけのからとなっていました。新年度から物性研 は千葉県の柏に全面移転することは承知していましたが、正直、実際に誰もい なくなった理論の部屋(当然施錠してある)はまっくらでした(物性研到着が 夕方だった)。偶然、理論の知人と会うことができ、筆者が寺倉研にいた頃の 居室を見ることができました。筆者の机のあった場所を見て、時の流れを感じ、 感慨深い思いものがありました。

筆者にとってこの研究所は、研究者への道程の第一歩であり、鍛えてもらい ました。筆者が物性研を出てからもう丸9年にもなります。世の中にもいろい ろなことがありました。柏への移転なので物性研そのものがなくなる訳ではな いのですが、あの六本木の物性研がなくなるのはちょっぴり残念であります。 4月には近くの青山墓地の桜の下(結構有名な名所、お墓でというのが凄い) でお花見をしました。もうすぐ見頃です。

(柏の物性研)
(1/23、2001)筆者は、先週金曜日(1/19、2001)に初め て、柏に引っ越した物性研に行ってみました。
並木1丁目(無機材研前)バス停で午後1時25分発(少し遅れた)の路線 バス(関東バス)に乗り荒川沖駅(JR常盤線)まで行き、そこから電車でま で行き。柏から東武バスに乗り、約20〜30分かけて東大前で下車(物性研 到着時刻は午後3時10分ほどだったか)して、新しい物性研に到着しました。 物性研までの所要時間は大体2時間弱でした(六本木だった頃より少し早いか)。

周りは、何もないです。国立がんセンターと、大きなスタジアム(サッカー 場らしい)が目につくくらいです。物性研の建物は、まだ完成後利用されるよ うになってから1年経ったか経たないかくらいで、まだ真新しく格好よく見え ました。
感動したのは、生協で書籍を売っていたことです。六本木(正式には麻布支 所と言われていた。住所も六本木7‐22‐1だったのに何故)では、生協は ありましたが本は売っていませんでした(雑誌すらなかった)。柏では、多数 の雑誌類以外に学術書も売っていて、物理関係の本も結構ありました。
で、今回物性研に行った目的は、金曜日恒例の理論セミナー(当然筆者が 〔六本木の〕物性研に居た頃には既にあった)を聞きにいくためです。講演は 常行先生のところの大谷さんによるフォノンの計算の話でした。建物内部の状 況は、六本木の建物と比べれば出来たてと言ってよく、向こうのはじが見えな いくらいの長い廊下(ちょっと誇張)があったりして面白かったです(これ以 上の内容は内緒)。


雑感S(2/15、2001)[ 目次]

久々の雑感です。今日は、4月1日へ向けた作業手順を書き連ねていきたい と思います。4月1日はいわゆる”4月馬鹿”ではなく、筆者の所属する無機 材質研究所が国立研究所から、”独立行政法人”となり、同じく文部科学省 (旧科学技術庁)傘下の金材研(つくば)と合併します。
合併後の研究所名は、”物質・材料研究機構”です。無機材研は、新たに” 物質研究所”(3/6、2001、変更。これもまだ仮称)として再始動しま す(予定)。

《諸々の変更》
上記によりいろいろな事が変わります。

まず頭が痛いのは、ドメイン名、メイルアドレスの変更です。筆者ウェブペー ジが、今後とも(公的な立場で)存続できるかは、現段階で全く未定です(1 0/19、2001、一応仮開設中)。場合によっては、公的(オフィシャル) な立場からの撤退も有り得ます(でもまだ全然分からんです)。
メイルアドレスに関しては、旧メイルアドレス(kobayak@nirim.go.jp)で 送られて来る電子メイルは、現在、未到達になっています(今後到達する可能 性はありません)。

【今後の作業手順】
  1. メイルアドレス変更の告知:既にこちらから出す電子メイルの署名部分 に、メイルアドレス変更の旨を記しています。
    筆者ウェブページ上でも告知(つまりここ^^;)。
  2. 共同研究者、知人、友人等にメイルアドレス変更を通知する。
  3. 筆者ウェブサイトが公的な形で、今後も存続できる場合:
    (1)必要ならば、データ等の引っ越し等を行なう。
    (2)筆者ウェブサイト、ページへリンクしてくれているサイト、ページを 可能な限り探索、リスト化する。
    (3)変更アドレスを、筆者ウェブサイト、ページにリンクを張ってくれて いるサイト、ページ管理者、所有者等に通知する。
  4. 筆者ウェブサイトが公的な形で存続出来ない場合:
    (選択肢1)筆者ウェブを閉鎖する:完全撤退。
    (選択肢2)他の公的機関のディスク領域を借りる:手続き上困難。
    (選択肢3)民間プロバイダ、フリーなウェブページ領域サービス(例: geocities)を利用して、私的なものとして存続:これが最良の選択か?。
    選択肢3の場合:http://www.nirim.go.jp/staff/kobayak/上の全データ を、新たなウェブページ用領域にお引っ越し(大変な作業:民間プロバイダと の契約、データの転送、ページの整備、運営等)。
    続いて筆者ウェブサイト、ページへリンクしてくれているサイト、ページ を可能な限り探索、リスト化する。
  5. どんな形であれ、筆者ウェブページが(選択肢2か3で)存続すれば: 変更(新)アドレスを、筆者ウェブサイト、ページにリンクを張ってくれてい るサイト、ページの管理者、所有者等に通知する。
  6. 場合によっては筆者ウェブサイト、ページの内容の一部または全部に渡っ て、修正、変更を施す可能性もあり。
  7. リンク先アドレスのアドレスの中で、変更されたもの(つくばにある国 立研究所を中心に、全国の試験、研究機関)の修正、変更を行なう(”日本バ ンド〔計算〕屋さんマップ”、”用語集の実践編”など)。
上記以外にも、年度末の学会(春の物理学会〔第56回年次大会〕、ポスター で発表と準備:中央大学)、学会で配布予定のNCPS2Kの準備(擬ポテン シャル作成、各種バンド計算テスト、CD-R製作等)。その他、研究遂行上必要 なバンド計算等々、年度末には目の回るような忙しさになることは間違いない でしょう。

(2/20、2001、追記)加えて、つくばの各国立研究所を含め、多くの 試験、研究機関のドメインアドレスも本年4月1日(予定)をもって変更とな ります。このため筆者ウェブページからリンクを張っているサイト、ページに もアドレスを変更しなければならないものが多数出てくるはずで、それをチェッ クし、リンク先アドレスを修正、変更する作業も頭の痛いところです。

(10/19、2001)筆者の所属が、計算材料科学研究センター(10/ 15付けで発足)、第一原理反応グループとの併任となった。
尚、筆者メイン[サイト ]が仮開設した(既に閉鎖)。

雑感T(7/13、2004)[ 目次]

3年ぶりの書き込みです。学術誌Phys. Rev. Bなどを見ていると、バンド計 算関連の論文は、昨今更に多くなっています。これは、新着情報ページを見て貰えれば明らかであります。この 原因には、昨今世界的に進んでいる業績評価による影響が大だと思っていたの ですが、実際はもっと異なる原因もあるのではと思うようになっています。考 えられる原因として、バンド計算コードのパッケージの存在です。これらには 用語集、実践編に幾つか紹介してあるように 有償、無償で、多種多様の多くのパッケージ(ソフトウェア群)が存在します。

それらパッケージの性能(速さ、収束性、機能、計算できる物理量、原子種、 結晶構造の多様さなどなど)の向上、及びそれらを使用するユーザーの能力の 向上が非常に進んできたことが想像されます。特に、ユーザーのレベルの向上 が著しいように感じます。一通りパッケージを使いこなせるようになると、新 しい系や物理量の計算などへの応用を試み、それが更にユーザーの能力向上に 継る。その上、新しい系や物理量の計算へのアプローチは、パッケージそのも のへのフィードバックとなりパッケージ自身も向上していく(正のフィードバッ ク)。特に、最近常連的な研究者(バンド屋さん)が、短い期間間隔でいくつ もの系の計算結果を論文として出しているのが見受けられます。パッケージそ のものの性能の良さ以外に、ユーザーの質的な向上が著しいと考えます。
どちらかと言えば、日本はその時流に取り残されているように感じるのは筆 者だけでしょうか?、、、。

CMDワークショップも第5回目を数えるほどになりました。内容も大変充実 しています。ワークショップ参加者数も大学、企業、独立行政法人(旧国研) 関係者100人以上に達しています。正直、日本で最も期待できる状況と言え ます。一方、海外では、WIEN2kワークショップ(第10回、既に終了、7/2 2、2004現在)が行なわれています。これも大変内容が充実しています。

(8/25、2004、追記)”バンド計算夏の学校”という企画が実現した ら面白そうだとは思う。既に挙げた、CMDワークショップは、それに近い形で あると言える。”若手”を入れていないことからも分かるように、学生、院生 を主たる対象としない。勿論、学生さん、院生さんの参加も歓迎である。筆者 としては、バンド計算に関していろいろ”腹を割った”話ができたらいいなと は思う(実現の可能性は低いが、、、)。特に、来年(2005年)は”世界 物理年”であり、カー・パリネロ法出現20周年だったりする。

(2/11、2005)産総研でのこの 成果は興味深い。この解析手法で、日本のバンド計算コミュニティーを解 析したらどのような結果が得られるだろう。勿論、日本国内の他分野のコミュ ニティーや海外でのバンド計算コミュニティーとの慎重かつ厳密な比較検討が 必要だが、やってみる価値は大いにあると思える。全く根拠の無い憶測でしか ないが、やはりとても閉鎖的、かつ”ばらばら”であるという結果が得られる のではないかと考えている。

雑感U(6/1、2006)[目次]

雑感T書き始めから更に2年あまりが経ちました。こ こで書くのは、本年(2006年、平成18年)5月23日に最初の筆者ウェ ブページが立ち上がってから10年経ちました。”十年一日の如し”でもあり、 とうとうここまで辿り着いたかという気もします。
これまで筆者ウェブサイト、ページをご愛顧して下さった皆様に深く感謝し ます。また、筆者ウェブサイト、ページは多くのオンライン上で(主に無償で) 公開された情報やツール(道具)類、及びそれらを構築、準備した多くの方々 によって支えられている部分があります。これにも深く感謝する次第です。

思えば筆者ウェブページの始まりは、旧無機材質研究所(無機材研)時代の 1996年。既に無機材研上で個人ウェブサイトを公開していた同僚の新井氏 から、研究所で個人のサイトを立ち上げることが可能であることを紹介しても らったのがきっかけでした(これにも深く感謝)。そして筆者が無機材研のウェ ブサーバー上に自分個人のサイトを立ち上げたのが、1996年(平成8年) 5月23日でした。この日付は、筆者が記していた”研究ノード”(研究日記、 記録)に同日付で立ち上げた旨記してあることを確認しています。他の情報な ども考慮の上、上記日付を筆者ウェブページ初立ち上げの日と判断しました。 最初のウェブサイトのアドレスは、

"http://www.nirim.go.jp/~kobayak/"

でした。既にこのドメインは研究所の統合、再編により存在しません。
その後、1996年7月8日にカウンターをトップページに設置しました。 ←2006年7月8日、カウンター設置も10周年を迎える。但し、カウンター とその計数結果そのものは、ドメイン消失で残っていない。
筆者のウェブページの変遷に関しては、筆者ウェブページの[歴史]が参考になります。当初(今でもそうです が)の目的は、ノルム保存擬ポテンシャルデータベースNCPS(当時はNCPS95) の宣伝が第一の目的でした。そして、いろいろなページを随時追加していきま した。上記歴史ページから、1996年10月22日には既に、非周期表形式 のバンド構造図(←これは現在のもの。以下同様)が存在していたことが分かります。電 子状態計算方入門ページもありました。
1997年5月2日のページにはバン ド(計算)屋さんマップが存在しています。

1997年8月7日にはバナーページが出現。1997年10月17日には、新着論文ページが登場しています。ただ実際のこれらの ページ作成は上記より少し早いものと思われます。

他にも、予備 ページ(利用不可)作成が、2000年2月14日頃。
メインサイト復活(既に閉鎖)が2001年9月11日。←これは日本時間。歴史上重大で不幸な事件が米国で起きたのは、その日の
独自ドメインページが20 02年4月14日作成。
バンド計算関連情報ページ:[出島](1/15、 2014、アドレス変更)作成が、2005年12月4日です。
これらのウェブサイト、ページ作成に関連していろいろなことがありました。

勿論、既に上で述べた通り筆者ウェブページ開設から10年ですが、バンド 計算関連のページは当時既にいくつか存在していました。筆者のページが 最初ではないということはここで強調しておきます。

(今を見てみる)←バンド計算界隈の現状
現在のバンド計算関連ウェブページを概観するに、ごくごく少数の個人サイ ト、ページが頑張っています。一方で、集団で代表されるサイト、ページは”?” なページが多いです。いろいろなところで書いていますが、”?”、つまり駄 目駄目な、或いは変なサイト、ページとして、 などが挙げられます。以上は、バンド計算関連サイト、ページを越えて、よ り一般のページも対象としています。あくまで一般論であり、特定のサイト、 ページを想定、指摘、糾弾している訳ではないです。この時、筆者のサイト、 ページのことは棚に上げています。しかし、”ひど い”サイト、ページが多い。
そう言う中でも素晴らしいページ、優れたサイトは存在します。以下にそれ を厳選して紹介したいと思います。対象は国内の第一原理計算(バン ド計算)関連のものに限定します。”独断と偏見”は可能な限り排除しますが、 どうしても筆者のウェブページに対する姿勢、好み(ポリシー)が選定に反映 されることをご承知置き下さい。

【筆者推薦サイト、ページ】 今後、紹介するサイトの数を増やしていく予定ではありますが、それはそう 多い数ではないだろうということが残念であります。一応、6/16(2 006)を持って、まず以上にある3つのサイトを、現時点(6/1 6、2006)での推薦サイトとします。今後、上記3つのサイトが筆者 の選んだ基準を満たさなくなる可能性がありますが、その場合でもリンクはそ のままアドレスがある(到達可能な)限り張り続けることとします。但し、基 準を満たさなくなったサイト、ページがアドレスを変更した場合、変更後のア ドレスへはリンクを張りません(追跡なしないということ。この段階でリンク は、はずれ”名前”だけがのこる)。
また基本的に他薦(及び自薦)は受付ないこととします。尚、 これは紹介されないウェブサイト、ページを”どうこう言う”もので は決してありません(そのつもりも全くありません)。
【選外1】上記推薦からははずれるものの、ここに記しておくべきものとし て、川本先生(産総研、ナノテクノロジー研究部門)による[QQC-BBS](バン ド計算も関連する掲示板←2006年末に閉鎖となる)を挙げておきます。こ こには筆者は昔から大変お世話になっています。
【選外2】これはウェブページ、サイトではないのですが(←このため選外 として扱う)、CMDワークショップとその関連した”活動”を記してお きたいと思います。今度(6/28、2006現在)、第9回を迎えるCMDワー クショップは既に数百名の規模の受講生を輩出し、現在も精力的に(バンド計 算の普及と啓蒙に関連及び貢献する)活動が進められています。これは日本国 内で”群を抜いている”と判断して良いと筆者は考えます。

(所感)
概して、頑張っているのは個人のサイト、ページであることが(バンド計算 関連分野に限らず一般的に)多いです。上記推薦サイトは、研究室、グループ 単位のものを排除していませんが、既に挙げているサイト、ページを基準とす るなら、ちょっと挙げられるものはなさそうです。勿論、それが短絡的、直線 的にいけないこと、悪いことと結び付けられる(判断する)のは非常に愚かな ことです。個人サイトも含め、”迷う”ページ(サイト)はあります。ただ、” 迷う”という段階ではまだ掲載する域に達していないのだとも考えます。

(棚上げ)
筆者のサイトの問題点を以下に挙げます。 勿論、以上の問題を克服するための対策も、ささやかではありますが行なっ ています。上記にもある”出島”サイトの導入。可能な限り各ページにはどこ かの”元サイト”へ戻れるようリンクを設定しておき、なるべく頻繁 に(外部サイト等へ)のリンクチェック等を行なうように心がけてはいます。 ただ、実際おっつかない(←多忙ということも一因)。

(次の10年)
さて最初の筆者ウェブページ開設から10年経ち、今考えるのは”次の 10年”です(7/25、2006)。

雑感V(1/4、2007)[目 次]

長年お世話になってきたQQC-BBSが、2006年末に閉鎖となりました。改 めてここで当該掲示板の提供、維持、管理をしていただいた川本氏(産総研) に深く感謝します。ありがとうございました

いろいろ書きたい(書くべき)ことがあるのですが、これまたいろいろ考え ると書くことに躊躇を覚えます。それには筆者自身が専らQQC-BBSに頼り、自 らで掲示板等を運営していない(しなかった)ことも理由の一つであります。 一方的に情報を提示するだけ(←筆者の立場)と異なり、受動する立場や様々 な受け答えする場を管理する立場は、諸々な忍耐や責任が伴います。筆者には それに耐える自信がありません(でした)。それ故にQQC-BBSには深い感謝の 念を禁じ得ません。

現在、筆者自身による(一方的な)情報発信は行なわれています(→[出島] ← 古いバー ジョンのブラウザなどでは閲覧困難な場合あり)。
これは一方的な情報発信であり、筆者関連の他のサイトも同様であります。 もっと悪い言い方をすれば、情報の垂れ流しに過ぎません。ほとんど(と言う か最近は全く)フィードバックもない状態です。

国内でのバンド計算関連の掲示板(オンライン上)は、そもそもほとんどな いのが現状。書き込み等の利用状況も芳しくない(と言うか、ほとんど閑古鳥 に近い)。QQCが役目を終えることとなったのも、至極自然な帰結とも言え ます。

雑感W(4/19、2011)[ 目次]

実に4年ぶりの雑感である。本日(4/19、2011)、雷雨による停電 により、長時間流していた計算ジョブが駄目になってしまった。とても悲しい。 一見無関係に見えるが、これには3月11日午後2時46分に発生した東日本 大震災が少なからず関わっている。

3月11日午後2時46分にその揺れは始まった(実際には午後2時46分 頃で、筆者のいるところ〔つくば市〕での正確な揺れ始めの時間を把握してい ない)。最初、それは小刻みで比較的揺れの大きな初期微動から始まった。た だこの初期微動がいつまでたっても初期微動のままだった。微動と言うには大 きめな振動だった。取り敢えず、机の下に隠れてやり過ごそうとしたが、一向 に揺れが収まる気配がなかった。あまりに長く(小刻みな)揺れが続くので、 机の下から出て、建物から出ることにした。で、部屋を出て階段に来た辺りか ら揺れが大きくなってきた。筆者のいた部屋は2階で1階出口も階段近くだっ たので、外に出ることに大きな支障はなかったが、外に出ると揺れは収まるど ころかどんどん強くなっていった。長かった。とにかく本震が来てからも揺れ は長く続いた。筆者が部屋を出た時に、同じように外に出ようとした者が数人 いた。更に揺れがかなり強くなってから慌てて出てくる者も多数いた。初期微 動を含めて本震は、5、6分続いたようである(正確なところは分からない)。 このような強い揺れを経験するのは初めてであった。地面が本当に揺れた。建 設工事中のクレーンが、わっさわっさと揺れていた。本震が収まった後もクレー ンは激しく揺れ続けた(折れるのではないかと心配したが幸い大事なかった)。 震度6弱の揺れだった。
筆者は初期微動の長さから、つくば周辺が震源ではなく、もっと遠いところ だろうと思った。またそれでここがこれだけ揺れているということは、大変大 きな地震が起こっていることが予想され、すぐに実家(神奈川)が心配になっ た。揺れている途中で停電し、電話も完全に通じなくなっていた。他の人の持っ ている携帯等から得られる情報から、その時点でどうも東北方面が震源らしい ことが分かった。更に得られた情報によるとマグニチュード7.9ということ だった。この数字はその後どんどん大きくなっていった(後に震源は三陸沖で 最終的なマグニチュードは9〔確定値〕となった)。
その後、筆者のいたところでは避難や安全な場所への待機、安否等確認作業 が比較的うまく進み、人的な損害はなかった(比較的大きな余震も続いた。茨 城県沖でマグニチュード7.7〔←確定値。当初は、7.3か7.4だった〕 の余震もあった)。物的な損害は小さくはなかったが、当日が金曜日であった ことから落ち着いてきた時点で解散、帰宅となった。停電していたし(日も暮 れつつあった)、余震も続いていたので復旧作業はむしろ危険でかつ困難だっ た。筆者は暫く現地(仕事場)に留まっていたが、停電しており、ラジオから の情報では東北方面では大変な事態になっていることが分かり、辺りも暗くなっ てきたので帰ることにした。
筆者は、自宅(宿舎)が倒れているのではないかと危ぶんだが、実際には停 電にもならず、灯りのともった宿舎が見えた時には少し驚き、大変ほっとした。 宿舎は、その後の診断により特に問題がないことが分かっている。自宅では、 電気も点くし、水も出た(翌日以降一時的な断水が何度かあった)。これは本 当に有難かった。筆者のいる宿舎の向かえの宿舎は完全に停電していた。帰り 道、停電している地区とそうでない地区がくっきりといった様相で区切られて いたのを憶えている。

それから一ヶ月以上が経った。停電は翌週には通電したが、今度は原発事故 による電力供給不足のため関東、東北の多くの機関のスーパーコンピュータが 稼働出来ない或いは部分的な稼働(縮退運転)という状況になったりした。そ の影響は今も続いている(参考:(臨時: 東北、関東方面のスパコンの状況))。当然スパコンが動かない状況、電 力不足による節電の要求は筆者のような計算物理、計算材料分野の者にとって 大きな痛手だった。この影響は深刻で少なからず現在も続いている。そこで冒 頭の停電である。スパコンの代替として長時間計算していたジョブが停電でお じゃんとなり、とても悲しい事態となっている。停電はすぐに復旧したので当 然、再実行やより有効な手段による対策を講じている。
未だ、震災(含む原発事故)は継続中であり、総括するには早過ぎるが、最 後にいくつか言及しておきたい。
3月11日の大震災の2、3日前に東北でマグニチュード7.3の地震があっ た。既に指摘されているが、これは前震(前触れ)だったのかもしれない。実 際、東北(宮城)で過去前震の翌日より大きな本震という事例があったことを 筆者は記憶している。筆者は、この7.3の地震の時に何かもっと大きなもの が来るのではないかという漠然とした不安を感じていた(切迫感はなかったし、 予知という類のものではない)。(確か翌々日の)3月11日当日のその時、 その7.3の地震のことはすっかり頭になかった。そしてマグニチュード9と いう巨大な地震は科学的な予見、予測なく突然起こった。(非専門ではあるが) 筆者の知る限り地震関連の話で、このような巨大な連動地震が東北で起こるこ との科学的な言及はその時点でなかった(かほとんど皆無だった)ように思う。 筆者自身も東海方面のことばかり気にしていた。実際、3月11日の揺れの時、 最初に考えたのは東海方面の地震がとうとう起こったのではないかということ だった。
続く原発事故の話は語るまでもないだろう。予想、予測も備えもどれも不十 分であった。JCOの事故の後に用意(?)されていたロボットはいざという時 に役に立たなかった。どうしようもなかったのはロボットの話だけではない (他にも沢山ある)。無為無策とまでは言えないが、厳然として生じた結果は 深刻である。そして深刻な状況は(大分状況が落ち着いてきたとはいえ)未だ 継続中の話で、今後長く続くと思う(いろいろ意見はあるが、1年では見通し は立たないのではないか?)。ただ現在も現場では事態収束(終息?)に向け た懸命の作業が続いている。現場で直接携わっている方々の尽力に深く頭の下 がる思いである。そしてこの経験や得られた知見の蓄積は大切であり、貴重な ものである。また携わった人々は得難い貴重な人材であると思う(絶対に軽視 してはならない)。
”科学・技術”駄目駄目だなと思った。人類(この場合、主役は日本人か) ちっともまだまだだと思った。21世紀と言っても、全然大したことがないこ とを思い知った。

その他、気が付いたこと。
センサー式の蛇口では停電により水が出なくなる(←手動でないため)。こ れは意外に困った事態になるので留意しておく必要がある。

明日は我が身。常々備えておくこと。用心すること。

スパコンが動かない時、代替のマシンも節電による厳しい制限で十分に稼働 させることが出来なかった。これは結構深刻な問題。

とにかく各個で出来ることを一所懸命行なう。日本全体を一つにまとめる必 要はないと思う。

節電には可能な限り協力中である。

(参考ページ)
東日本大震災におけるつくば市の被災・復旧状況のページ(つくば市のウェブページより。4/20、午後1時現在のもの←既にアクセス不能)


雑感X(4/28、2011)[ 目次]

筆者が(旧)無機材質研究所に就職(奉職?)したのが平成3年4月1日 (1991年4月1日)である。つまり、つくば市に来て20年経つ訳である。 ありきたりな言い方だが短いようで長い20年だった。平成3年当時と比べる とつくばも大分変わった。TX(つくばエクスプレス)開業は最近では結構大 きな出来事と言える。これで交通の便が大分良くなったし、つくば周辺もいろ いろ変わってきた。一方、既に雑感Wで言及したように、平成23年3月11 日に東日本大震災が起こったことは、つくばの現在と今後に少なくない影響を 残し、与え続けている。
加えて、今年で筆者ウェブページ立ち上げから15年経つ。最初に立ち上げ たページ(www.nirim.go.jp上のウェブサイト、ページ)は既に存在しないが、 当該ページは平成8年5月23日(1996年5月23日)に作成、公開され た。これについては雑感U(立ち上げ10周年)で既に言及されている。10 周年の時、”次の10年”と言ったが、とうとうその半分が過ぎてしまった。 無為に過ごしたとは言わないが、目覚しい何かを残したかと言うと、「うーー ん」と応えるしかないのが悲しいところである。”残り5年”とだけ書いてお く。
次の5年、(筆者の周辺も含めて)どうなるか、更にもっと広いところで日 本の科学・技術の行く末はどうなっていくのか?。これに関しては前述の大震 災の影響が強く出てくるだろうと思う。とても楽観出来ないし、悲観すべき材 料(或いは不安材料)は沢山ある(例:国の借金←今後ますます肥大化するだ ろうし、どっかでにっちもさっちも行かなくなるのではないか?)。これに対 する、すっきり明解、明確な処方せんを筆者は示すことは出来ないが、とにか く一所懸命頑張るとだけ言っておこう(何か悲しい)。

(追記)
本日(2011年7月8日)で、筆者ウェブページ(旧無機材研上にあった サイト)にカウンターを設置してから15年経った。筆者としてはページ(サ イト)立ち上げより、このカウンター設置の方がより印象深い。カウンターを 設置したことが、はっきりと他者からこのサイト(当該サイトは、アドレス変 更により既に存在しない)が閲覧されて(見られて)いることを筆者本人が自 覚(認識)したことを示している(実際そう”思った”と思う)。アドレスは 変わったし、内容もこの15年の間に大分蓄積された。精度や厳密さ、分かり 易さに目をつむれば、とても充実している(と思う)。
2011年3月11日は、日本にとって大きな境目(分岐点)になったと思 う。多くのものを失い、本当は昔からあった多くの問題点(例:危機管理能力 の無さ)を改めて露呈した。影響は筆者の生活や研究活動にも及んでいる。同 年7月1日から関東(及び東北)では電力不足に対応するため厳しい節電が課 されている。関東にある多くの研究機関、大学等のスーパーコンピュータは、 現在縮退運転や一部稼働停止となっている(通常稼働しているものもある)。 現在の状況からしてこれは受け入れるべき状況であり、厳しい計算機資源の状 況下で何とかやりくりしている(そういう状況にある研究者は多いだろう)。 またこれはスパコンだけではなく、多くの電力を消費する実験機器も同様な厳 しい制限を課されているはずである(例えば、高エネ研の本格稼働は秋以降と 言われている)。
(7/11、2011)1996年7月8日に設置したカウンター(計数器、 当該設置サイトは既になくなっている)は、現在に引き継がれていない。
(8/10、2011)オンライン情報によると、WWWが世界に配信され て20年経ったそうな。日本の最初のページ(外部への公開版)が立ち上がっ たのが、1992年9月30日(CAMSE92〔横浜〕が開催されていた頃)であ る。15年というのも結構経っていることが分かる。

雑感Y(5/20、2016)[ 目次]

もうすぐ筆者の最初のウェブページ開設から20年経つ。バンド計算の世界 でもいろいろなことが あった
バンド計算以外でも、開設から15年の時には、東日本大震災があった。本 年(20年)も熊本、大分で大きな地震があった。日本では5年、10年の尺 で、このような地震被害があることを覚悟する必要があると思う。その自覚の 上(=万が一〔←日本で暮らす以上、その確率はもっと高いと言える〕のため の対策を考えた上)で、研究や生活をしていかなければならない(そうあるべ きだと思う)。
昨日(2016年5月23日)、最初の筆者ウェブページ開設から20年が 経ちました。勿論、最初のページ(http://www.nirim.go.jp/下にあった)は、 当該組織が改編されたことにより、nirim.go.jpというアドレスそのものが存 在しません。いろいろな経緯があって引き継がれていったものが、現在ある一 連のウェブページ(群)です。

これまでの多くの方々のご愛顧、ご支援に深く感謝します。

次の10年、どうするか?。勿論、自身の研究についてである。以下、続けるつもりだったが、全く筆は進まなかった。とうとう仕事納めの日である。これで今年の更新作業等はここで終いとなる。来年(2017年)になると、21年目となる。”多忙だった”と言うことは簡単(実際本当に忙しかった と思う)であるが、いろいろなことが疎かになったことの言い訳とするには 甚だ問題のあるところである。(何と以下、続く)

続いた(10/11、2018)。geocities(現在は、Yahoo!ジオシティーズサービス)が、来年(2019年)3月一杯で、サービスを終了することとなった。まずは、これまでのサービス継続に深く感謝したい。本当のことを言えば、これからもずっと続いていくのではないかと、細やかな希望を抱いていたがそうはならなかった。Yahoo!は、これまでもいつくかのサービスを終了していたので、”いつかはここも”とは薄々思ってはいた(正直、思っていたのよりずっとすぐに来た)。
まずは、移行のための準備と、その実行(年内を予定)である(続く)。
(11/22、2018)移行のための準備は、ゆっくりと進んでいる。移行先を決定し、移行元のディレクトリ(データ)リストと、移行先の同リストを作成、比較・検討しつつある。
(12/11、2018)一部ページを複写的に移行のテストを行う。移行先は、bandstructure.jpサイト。
(12/18、2018)比較的規模の大きなデータ(/INTRO/部分の大部分)の転送(複写)を行う。
(12/25、2018)guide(日本語版、英語版両方)で、移行のお知らせ開始。バンド計算関連情報ページでの移行も進行中。
(12/27、2018)移行作業がやや遅れている。完全移行は、2019年に持ち越しとなる可能性あり。
(1/4、2019)前年中に、geocities上の更新を停止する予定だったが、叶わず。近々に、geocities上の各ページの更新を停止する予定(に変更)。
(1/10、2019)移行作業は、遅れ気味ながら進行中。
(1/15、2019)自動転送設定は、2019年3月のぎりぎりのところでの設定を検討中。
(2/13、2019)独自ドメイン料金は既に銀行にて払込済。これで一安心。
(3/1、2019)いよいよあと一ヶ月となる。
(3/14、2019)自動転送の準備。
(3/15、2019)昨夜、自動転送を設定。"http://www.geocities.co.jp/Technopolis/4765/"サイトは、利用不可(bandstructure.jpのトップページへ自動転送)となっています。従って、www.geocities.co.jp/Technopolis/4765/下の全てのページの更新は、今後行われません。
(3/18、2019)リンク先アドレス変更願いの通知を本日から始める。←いろいろ深く感謝。
(3/19、2019)通知継続中。通知に関して、geocities以外の(リンク可能)な筆者ウェブページへリンクしているサイトには、通知していない(その必要がない)。また、非常に古いページで更新が行われていないものに関しても、通知は行わないことにしている。
(3/25、2019)御対応に深く感謝。現時点で、通知可能なとろこに電子メイルで”リンクアドレス変更”のお知らせを行った(いろいろと感謝+お手数をおかけして恐縮です)。
(3/26、2019)通知作業は、継続。www.geocities.co.jp/Technopolis/4765/にリンクしているサイト等を検索すると、多くのPDFページが提示される。その中には、www.geocities.co.jp/Technopolis/4765/への言及、提示のあるものも少くない(←これに関しては深く感謝)。ただ残念ながら、これらのPDFページには、リンクアドレス変更の通知を行っていない(通知をしても改訂は多くのもので困難と思われるため)。
(3/29、2019)年度末となり、来週には、geocities(Yahoo!ジオシティーズサービス)は終了となる。現時点で既に(bandstrucuture.jpへ)転送するようになっており、2019年9月一杯まで、これは継続される。改めて、これまでのgeocities(Yahoo!ジオシティーズ)のサービスに深く感謝したい。今思うのは、未来永劫と続くサービスなどおそらく存在せず、今隆盛を誇るオンライン上の数多のサービスも、いつか消え去るのだろうことである。WWW勃興からまだ30年しか経っていない(その間にも消えていったサービスは数知れずである)。
(4/1、2019)geocities(〔現〕Yahoo!ジオシティーズ)サービス終了。移行作業は、ほぼ完了(のはず)。
(4/2、2019)www.geocities.co.jp/Technopolis/4765/サイト閉鎖:サービス終了に伴い、www.geocities.co.jp/Technopolis/4765/上のページは、全て閲覧不能(自動転送される)となる。
(4/5、2019)まだデータ移行が出来ていないページ、画像があった。
(4/18、2019)データ・ページ移行は、ほぼ完了しているが、未だ移行し損ったものが散在する。
(9/30、2019)本日で自動転送も停止。
(10/1、2019)自動転送も終了(のはず)。←その後、終了を確認。
(10/8、2019)”逆リンク感謝”(←依然として、geocitiesページにリンクしたままのサイト〔←大半はリンク先変更の連絡済〕)から、”逆リンク感”へ変更する。

雑感Z(3/31、2023)[ 目次]

筆者は、本日で物質・材料研究機構を定年で退職する。本サイトに対する、これまでのご愛顧に深く感謝する。2023年度以降は、再雇用という形で、機構に残ることが決まっている。本サイトの継続していく(更新はおそらく不定期的となる)。これからもよろしくお願いしたい。

2023年4月からの筆者の所属、身分は、物質・材料研究機構 ナノアーキテクトニクス材料研究センター エネルギー変換材料グループ、NIMS特別研究員である(4/5、2023)。




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